優しさ、夜から昼、スタンダード…魅せるロゴへの挑戦

松下電器産業のパナソニックへの社名変更が10月に迫る一方、今年も企業やブランドの「顔」といえるロゴの変更が相次いでいる。セイコーエプソンはこのほど、主力商品のカラリオプリンタの新たなブランドロゴを発表。話題を呼んだNTTドコモのロゴ変更や、日本航空の「鶴丸」“引退”など、それぞれの期待や思想が込められたロゴの変遷からは、時代の流れが垣間見える。



 企業が社名やブランドのロゴに込める意味は実に多種多様。エプソンは9月のカラリオシリーズ新商品発表にともない、ロゴも刷新した。これまでの優美な筆記体の「Colorio」に代わってシンプルな黒の活字体とし、「i」には小さな7色の玉をあしらった。同社によると、「i」は「私」を表し、7つの色は「私」を中心に「安心」「快適」「きれい」「スタイリッシュ」など、新商品が実現する新たな価値を象徴的に示したという。

 例えば、「安心」はユーザーが簡単に操作できるタッチパネルやインク詰まり予防機能を、「快適」は別室のパソコンからでも印刷できるワイヤレスプリントや高速プリント機能、「スタイリッシュ」はリビングにも調和するデザイン―といった具合だ。刷新の背景には、これまでの「写真を美しく彩るプリンタ」のイメージに加え、「暮らしをカラフルに彩るパートナー」と位置づけたことがあり、より豊かな使い方を提唱している。

 新たな商品特性を「七色」に凝縮したロゴをデザインしたグラフィックデザイナー、廣村正彰さんは「『個人のプリンタ』を超えた、情報のターミナルとしての役割を担うのにふさわしいスタンダードなイメージが必要と考えた。ドット(玉)に意味を込めることで、カラリオのアイデンティティを確立していった」と説明する。

■半世紀の歴史に終止符


リンゴと地球をモチーフとしたMAPPLEグループのブランドロゴ(クリックで拡大) 老舗や話題の企業のロゴ変更となると、世間の注目度も高まる。「ナンバーポータビリティ制度」導入などで“独り負け”が話題となったNTTドコモは7月、15年間使った「ループロゴ」に代わり、「情熱と人の温かみを表す」(同社)赤のロゴを発表した。海外事業の成長が著しいキッコーマンは今春、21年ぶりに新ロゴを導入。表記は優しさなどを込めたオレンジの小文字にし、亀甲マークも添えた。一方、日本航空のシンボルとして半世紀近く親しまれた赤いツルのマーク「鶴丸」が5月で機体から姿を消したことも、多くの反響を呼んだ。

 他にも、半導体メーカーのロームは9月の創立50周年を機に、従来の青からベンチャー精神を表す赤に一新したブランドロゴを発表。地図出版大手の昭文社は、新たにリンゴと地球を模した「マップルブランド」ロゴを採用し、「地図もリンゴ同様、新鮮さと品質が重要」との意味に加え、「出版社から情報提供会社」への進展をアピールする。

■脱「夜の街」

 企業以外では、アートとデザインの街としての再出発を図る東京・六本木の六本木商店街振興組合が9月29日、六本木交差点の首都高壁面に掲げたロゴ「HIGH TOUCH TOWN ROPPONGI」に代わる新たなロゴを発表した。「『夜の街』のイメージが強かったが、東京ミッドタウン開業などで文化の香りが高まった。(ロゴ変更は)昼間の来訪者ももてなす新たな街づくりの一環」(同組合)と、期待を寄せている。


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